「子なしの老後は悲惨」という言葉を見て、不安になったのではないでしょうか。
- 子どもがいないと、老後は本当に困るのか
- お金や介護は、誰に頼ればいいのか
- 寂しい老後にならないために、今から何をすればいいのか

調べるほど怖い言葉ばかり出てきて、よけいに不安になってしまうのよね。
結論から言うと、備えるところを先に決めておけば、悲惨な老後にはなりません。
子どもがいない老後で困りやすいのは、お金・住まい・介護・相続の4つです。
どれも、元気なうちに手を打てることばかりです。
私たち夫婦は、子どものいない暮らしを10年以上続けています。
まだ老後ではありませんが、同じことを考えながら暮らしています。
不安の正体が分かれば、やることは思ったより少ないと気づけます。
全部を今日決める必要もありません。
一つずつ、夫婦で話していけば大丈夫です。



怖い言葉に引っぱられず、中身を一つずつ見ていきましょう。


「子なし夫婦の老後は悲惨」と言われる理由


まず、なぜこう言われるのかを整理します。
理由が分かれば、備えるところもはっきりします。
頼れる家族が少なくなりやすい
入院や介護が必要になったとき、子どもがいる家庭では子どもが動くことが多いです。
子どもがいない場合は、その役割を誰かに頼むことになります。
配偶者が先に亡くなれば、1人で決めていく場面も出てきます。
これが「悲惨」と言われるときの、いちばん大きな中身です。
お金の備えを、自分たちで用意するしかない
教育費がかからないぶん、現役のうちはお金に余裕が生まれやすいです。
ただ、老後に子どもを頼ることは前提にできません。
余裕がある時期に使い切ってしまうと、あとで苦しくなります。
使うお金と、備えるお金を分けておくことが大切です。
社会全体で高齢化が進んでいる
日本の高齢化は、次のように進むと見込まれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高齢化率(2024年10月) | 29.3% |
| 2070年の総人口(推計) | 8,700万人 |
| 2070年の高齢化率(推計) | 38.7% |
| 2070年に65歳以上1人を支える現役世代 | 1.3人 |
これは子どもの有無にかかわらず、社会全体で起きていることです。
子どもがいる家庭でも、子どもに頼りきれない時代になりつつあります。
子なし夫婦だけの問題ではありません。



「子どもがいないから悲惨」ではなく、「誰もが備えが必要」という時代です。
お金 ― 老後資金をどう考えるか


いちばん多い不安がお金です。
考え方の順番をお伝えします。
いくら必要かは、暮らし方で変わる
老後に必要な金額は、住まい・健康・暮らし方で大きく変わります。
そのため「いくらあれば足りる」と一つの数字で言うことはできません。
まずは今の生活費を書き出して、年金で足りない分がいくらかを見るのが出発点です。
金額より先に、足りない分を知ることが大切です。
教育費がかからないぶんを、備えに回せる
子どもがいる家庭が教育費に使う時期に、DINKsは備えに回すことができます。
これは子なし夫婦にとって大きな強みです。
ただし、そのぶん生活の水準も上がりやすくなります。
先に備える分を取り分けてから、残りで暮らす形にすると続けやすくなります。
わが家は新NISAで積み立てている
私たち夫婦は、新NISAを使って積み立てをしています。
特別なことはしておらず、毎月続けているだけです。
何にいくら回すかは、家計や考え方によって変わります。
迷うときは、お金の専門家に相談してください。



余裕があるうちに始めておくと、気持ちの面でも楽になります。
住まい ― 持ち家も施設も、早めに考えておく


次に多いのが住まいの不安です。
子どもがいない場合、住まいは自分たちで決めて動くことになります。
持ち家でも、住み続けるとは限らない
一戸建ては、年齢を重ねると階段や庭の手入れが負担になります。
広さを持て余すこともあります。
私たち夫婦も一戸建てを買いましたが、ここにずっと住むつもりはあまりありません。
今は、施設やマンションへ移ることも考えています。



家を買ったから一生ここ、と決めなくてもいいと思っています。
施設は、元気なうちに調べておく
施設は、必要になってから探すと選ぶ余裕がありません。
費用も種類も幅が広く、地域によって空き具合も変わります。
元気なうちに見学して、だいたいの相場を知っておくと落ち着いて選べます。
調べておくこと自体が、不安をやわらげてくれます。
高齢になると、賃貸は借りにくくなることがある
賃貸は身軽ですが、年齢が上がると契約を断られることがあります。
保証人を求められる場面も出てきます。
賃貸で通すつもりなら、その前提で早めに相談先を持っておくと安心です。
持ち家か賃貸かは、老後の動きやすさも含めて考えたいところです。


介護と身元保証 ― 頼む相手を先に決めておく


ここは見落とされがちですが、とても大事な部分です。
子どもがいない場合にこそ、先に決めておきたいことです。
入院や入所で、身元保証人を求められることがある
病院に入院するときや、施設に入るときに、身元保証人を求められることがあります。
子どもがいる家庭では、子どもが引き受けることが多い役割です。
子どもがいない場合は、誰に頼むかを考えておく必要があります。
配偶者が元気なうちは配偶者が担えますが、その先も考えておきたいところです。
判断が難しくなったときに備える制度がある
年齢を重ねると、お金や契約の判断が難しくなることがあります。
そうしたときに備える制度として、成年後見制度があります。
元気なうちに自分で相手を決めておく形と、必要になってから家庭裁判所が選ぶ形があります。
どちらが合うかは事情によって変わるので、専門家に確かめてください。



制度があると知っているだけでも、だいぶ気持ちが違うわね。
元気なうちに話しておく
誰に何を頼むかは、必要になってからでは決めにくくなります。
まずは夫婦で、どちらかが動けなくなったときの話をしてみてください。
私たち夫婦も、正直なところ、まだあまり話せていません。
この記事を書きながら、そろそろ話しておこうと思っています。
相続 ― 配偶者だけが相続人とは限らない


ここが、子なし夫婦でいちばん知っておきたいところです。
知らないままだと、残された側が困ることになります。
子どもがいない場合、親や兄弟姉妹も相続人になる
民法では、相続人の範囲が次のように決められています。
| 順位 | 配偶者と一緒に相続人になる人 | 配偶者の取り分 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子ども | 2分の1 |
| 第2順位 | 父母や祖父母 | 3分の2 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 4分の3 |
子どもがいない夫婦では、第1順位がいないことになります。
配偶者の父母が健在なら、父母が3分の1を相続します。
父母が亡くなっていれば、配偶者の兄弟姉妹が4分の1を相続します。



全部が配偶者に行くと思っていたけれど、そうではないのね。
自宅しかないと、住まいの話になりかねない
主な資産が自宅だけという夫婦は少なくありません。
その場合、ほかの相続人に渡す分を用意できないことがあります。
話し合いがまとまらなければ、住まいをどうするかという話になりかねません。
これが「悲惨」と言われることの、いちばん具体的な中身です。
早めに専門家へ相談する
備える方法としては、遺言書を作っておくやり方がよく知られています。
ただ、書き方や効き方には決まりがあり、事情によって適した形も変わります。
ここは自己流で進めず、司法書士や弁護士などの専門家に相談してください。
元気なうちに一度相談しておくだけで、その先がずいぶん楽になります。



法律の話は、早めに専門家に確かめるのがいちばんの近道です。
寂しさ ― つながりの作り方は夫婦で違っていい


最後に、寂しさの話です。
ここはお金や制度と違い、正解が一つではありません。
会社と家族以外のつながりを作っておく
仕事を辞めると、会社でのつながりは少しずつ薄くなります。
そのあとに残るつながりを、現役のうちから作っておくと心強いです。
私は、会社や家族以外のところで友人を作ろうとしています。
趣味や学びの場など、少しずつでも広げておくと違ってきます。
夫婦で温度差があっても構わない
つながりの作り方は、夫婦でまったく違うことがあります。
わが家の場合、妻はどちらかというと私しかいない関係です。
会社の同期とのつながりはありますが、あまり人と関わりたくないタイプです。
無理に同じようにしようとせず、それぞれの形でいいと考えています。



片方が外に出ていく人で、片方が家にいたい人。それでも成り立っています。
2人の時間を大切にする
子どもがいないぶん、夫婦の会話はお互いのことが中心になります。
年齢を重ねても一緒に過ごせる関係でいることが、いちばんの備えかもしれません。
これから相手を探す人は、老後の話まで安心してできる人を選んでください。




子なし夫婦の老後についてよくある質問


まとめ:備えるところを決めれば、悲惨な老後にはならない


この記事では、子なし夫婦の老後で困りやすいことと、その備え方をまとめました。
- お金は、足りない分を知ってから。使う分と備える分を分ける
- 住まいは、持ち家でも住み替えを想定して早めに調べておく
- 介護と身元保証は、誰に頼むかを元気なうちに決めておく
- 相続は、配偶者だけが相続人とは限らない。専門家に相談する
- 寂しさへの向き合い方は、夫婦で違っていい
どれも、今日すべてを決める必要はありません。
一つずつ夫婦で話していけば、不安はだんだん小さくなります。
「悲惨」という言葉に引っぱられず、できるところから始めてください。



私たちもまだ準備の途中です。一緒に少しずつ整えていきましょう。
